💡 予算の壁を突破せよ!生産管理システム再構築の挑戦
皆さん、こんにちは!DXコンサルタントの林です。
今回ご紹介するのは、「予算の壁」と「老朽化したシステム」という二重の課題に直面した、ある自動車部品メーカー様のIT戦略再構築プロジェクト奮闘記です。
半年間かけて選定した生産管理システムですが、取締役会で突きつけられた現実は、「予算を大幅に超過」しているため、このままではゴーサインが出せないというものでした 。
「マジか!」と内心焦りつつも、これはコンサルタントとしての腕の見せ所。
予算制約を厳守しつつ 、将来性のあるシステムと柔軟な働き方を両立させるための具体的提案が急務となりました 。
📉 予算の制約と二つの代替案
厳守すべき予算額 。当初のベンダー提案はこれを大幅に超過していたため 、システムの刷新アプローチについて、根本的な見直しが必要になりました 。
私、林は、この課題を解決するために「生産管理システム刷新」に関して以下の2つの代替案を提案しました 。
- A案:既存システムの継続利用(延命)
- サーバーやOS、SQL Server、Accessライセンスの更新・移行(V-UP)には、相応のコストが発生します 。
- V-UPしない場合は、サポート切れによる深刻なセキュリティリスクを許容せざるを得ず、サーバー保守部品の事前確保も不可欠です 。
- B案:OSS(オープンソース)の戦略的活用← 推薦案
- 高額なライセンス費用を抑え、その予算を導入支援と自社業務に合わせたカスタマイズに振り分けられます 。
- ベンダーロックイン(特定のベンダーへの技術的・費用的依存)を回避でき、長期的な柔軟性と拡張性が確保できます 。
✨ 採択されたのは「OSS × 段階的導入」
私は特に、PythonベースのモダンなERPシステム「ERPNext」 (B案)を核とした提案を行いました。
商用のERPパッケージにはない機能が無料で商用利用可能というOSSのメリットを熱弁!
社長、取締役からは「これなら予算内に収まりますね」「これいいね!」と好感触!見事、ERPNextをベースに2年間かけてシステムを構築することで同意を得られました。
まずはOSSをベースに必須の中核機能からスモールスタートし、段階的に機能を追加・カスタマイズすることで、投資コストを平準化します 。内心ホッと一息です🤝
💻 働き方改革:「いわくつきPC」と「老朽化PC」を両立!
生産管理システムの道筋がついたところで、次は働き方改革、すなわち事務所のフリーアドレス化推進です 。
取締役推薦の「ノートPC(Office込)」を全社員に配布したいというお話をいただいていました 。しかし、このPCには問題が…。
【技術的課題】
導入PCの64bit OSと、既存Accessシステムが稼働する32bit環境との間で、非互換性(64/32bit問題)が発生していたのです 。
一時保留となっていたこの「いわくつきPC」を、どうやってフリーアドレス化に活用したか?
🔑 解決策は「リモートデスクトップ接続」
導入したノートPCでAccessを直接動作させるのではなく 、既存のデスクトップPCを「Access専用機」として延命・再活用し 、ノートPCからリモートデスクトップ接続で操作するハイブリッド運用を提案しました 。
これで、Accessの非互換性問題をクリアし、社員はノートPC上で従来通りAccessシステムを操作可能となり 、ロケーションフリーで業務を継続できるようになります!
🔨 延命措置の具体策
既存のデスクトップPCは、Access専用機として延命措置を行います 。
- メモリ増設:複数操作時の安定性を向上させ、パフォーマンスのボトルネックを解消します 。
- SSD換装:OSとアプリケーションの起動を高速化し、リモート接続時のストレスを軽減します 。
- Windows 11対応:最新OSへ移行し、Microsoftの公式サポートによるセキュリティを確保します 。
🛡️ セキュリティ:コスト削減と防御強化の二刀流
リモートデスクトップ接続を外部からも可能にするためには、ネットワークのセキュリティ強化が不可欠です 。
この時、接続のネックとなっていたのが、既存で利用していたセキュリティソフト「Eset」でした。
- 守りのコスト削減:「Esetライセンス廃止」により、年間約15万円のコスト削減を実現 。OS標準搭載の「Microsoft Defender」に代替します。
近年のDefenderは第三者評価機関でも高い評価を得ており、企業利用に十分な保護レベルを維持可能です 。 - 攻めのネットワーク防御:Esetで浮いたコストを原資に、FortiGate(次世代FW)の導入を推進しました 。
- FortiGateはフリーアドレス化(Wi-Fi利用の拡大)や外部からのRDPに対応するため、ネットワークの出入り口を強固に防御します 。
- 侵入防止やアプリ制御など多層的なセキュリティを一元管理し、外部からのアクセスが容易にできるようになります 。
これで、社長が以前から望んでいた「出先からの接続」の構想も、林の提案した新セキュリティ体制によって解決されたのです !
🌟 信頼関係の構築が、最高の報酬
約30分間のプレゼン後、社長からいただいた「言われてみると納得だけどなかなか自分で考えられないよね。さすがだね」というお褒めの言葉。
そして、説明を託された課長からの「林さんとならやっていけると思います」という言葉。
半年間の信頼関係の構築ができていたのがポイントでした。この信頼こそが、コンサルタントとして最高の報酬だと感じています。
さらに、生産課のメンバーから「林さん、有志で忘年会をやるんだけど来ませんか?」とまさかのお誘いまで!
昨年からお世話になりっぱなしなのでお礼を込めて、とのこと。何ということでしょう、本当に嬉しいサプライズでした。
来年以降も、生産管理システムの導入・構築、製造課のDX化(IoT接続によるデジタル日報の構築)、ホームページリニューアルのアドバイスまで、数年にわたって伴走させていただくことが決まりました。
この信頼を糧に、来年も皆さんと一緒にDXを頑張るぞ!


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