【衝撃のフック:沈黙を破った一言】
「林さんと打ち合わせしていると、不思議と前向きになれるんです。私の心のビタミン剤ですよ。これからもDXアドバイザーとして、そして私のメンターとしてサポートしてください」
画面越しのweb会議。
そう語る専務の表情には、安堵と、かすかな希望が混じっていました。
しかし、その背景にある状況は、まさに「絶望的」と言っても過言ではないものでした。2月末に突如舞い込んだM&Aの話。
残された猶予はわずか3ヶ月。過呼吸寸前の激務の中で、専務は独り、巨大なITの壁と戦っていたのです。
【現場のリアル:突きつけられた「死刑宣告」】
今回のM&Aは、あまりに急転直下でした。
専務の元に正式な話が届いたのは2月末。
同時に「IT・システム・ネットワークの統合を3ヶ月で完了せよ」という、物理的限界を超えた条件が突きつけられました。
相手方の担当者は回線名義変更などは引き受けてくれるものの、最大の問題は「基幹システム」と「情報系グループウェア」の移行です。
さらに、先方のサポートソフト会社が出してきた条件は「オンプレミスでのOracle環境」。
世界的な半導体不足が続く今、サーバーを新規発注して納品・構築するだけで通常3ヶ月はかかります。つまり、発注した時点でタイムリミットが来る。
これは、地方の老舗企業にとっては「死刑宣告」に近い無理難題でした。
【プロの洞察:報酬よりも先にすべきこと】
私は今回、あえて追加報酬の話を一切しませんでした。
通常であれば、これほど重いスポット案件は別契約の対象です。
しかし、今ここで契約の細かな条件を詰めれば、専務が向き合うべき課題をさらに増やしてしまう。何より、これまでお世話になった分のお返しをしたいという「義理」がありました。
私はコンサルタントとして、まずこう進言しました。
「窓口を一本化して情報を整理することが一番です。ネットワーク、サーバー、基幹システム、それらの移行問題を私が一括で預かります」
経営者が技術的な細部に脳のリソースを奪われてはいけない。
私は「情報の防波堤」となり、専務が経営の意思決定にだけ集中できる環境を作ることを最優先にしたのです。
【突破の鍵:裏側で淡々と回す「AI」という相棒】
一方で、私はプロとして「最悪の事態」を想定していました。
もし新システムが間に合わなかったら? そこで、私は専務には告げず、勝手にある作業を進めていました。
ターゲットは、数年前に導入を試みて失敗し、今はマニュアルも仕様書もなくブラックボックス化している「Accessシステム」です。
かつてなら、この解析には熟練のSEが張り付き、膨大な費用と数週間の時間を要しました。
しかし、私には強力な相棒がいます。
Google NotebookLMとGoogle Colab環境です。 この最新AIツールを操り、誰にも解読できなかったコードの海を数日で可視化。業務フローを抽出し、運用マニュアルの骨子を裏で作り上げました。
「もしもの時は、この解析済みの資産がある」 この裏付けがあるからこそ、私は専務の前で動じず、前向きな伴走ができるのです。
【3/31 運命のデモ:物語は佳境へ】
専務はかつての縁を頼りに、自らパッケージソフトの会社を見つけ出してきました。「これなら使えるかもしれない」という直感を信じ、3月31日の午後に急遽デモがセットされました。
このデモが、プロジェクトの大きな分岐点になります。
- 短期間(3ヶ月以内)で本当に稼働できるのか?
- 印刷業界特有の商習慣にフィットするのか?
- コストは現実的な範囲に収まるのか?
私も同席し、専務の「盾」として、そして「目」として、そのシステムが本物かどうかを見極めてきます。このデモの結果次第で、私たちの戦略は再び大きく書き換わることになるでしょう。
【結び:DXの本質は「独りにさせないこと」】
DX(デジタルトランスフォーメーション)と聞くと、最新のシステムを入れることだと思われがちです。しかし、現場で起きているのはもっと泥臭い「人間ドラマ」です。
不安で押しつぶされそうなリーダーの隣に立ち、情報を整理し、時にはAIという最新武器を裏で研ぎ澄ませておく。
そして最後に「これで行きましょう」と背中を押す。そのプロセスそのものがDXなのだと、私は信じています。
祝杯の味は、31日の結果が出るまで取っておきましょう。
もし、あなたの会社でも「仕様書のないシステム」や「無理な移行期限」に頭を抱えているなら、まずはその重荷を私に預けてみませんか。
コーポレートサイトhttps://www.rin-tech.netを開設しました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


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