Microsoft SQL Serverの正確なバージョン情報、エディション、そして適用されているサービスパックレベルを把握することは、トラブルシューティング、互換性の確認、および適切なサポートの利用のために不可欠です。
この記事では、SQL Serverのバージョン情報を取得するさまざまな方法を詳しく解説します。
1. SQL Server Management Studio (SSMS) を使用する方法 (推奨)
SSMSは、SQL Serverのバージョン情報を確認する最も一般的で推奨される方法です。
1-1. 接続時にバージョンを確認する
SSMSを起動し、サーバーへの接続ダイアログボックスに一部のバージョン情報が表示されることがあります。

1-2. オブジェクトエクスプローラーで確認する
サーバーに接続後、[オブジェクトエクスプローラー]でサーバーインスタンス名を右クリックし、[プロパティ (Properties)]を選択します。

表示される[サーバーのプロパティ (Server Properties)]ダイアログボックスで[全般 (General)]を選択すると、バージョン、エディション、プロセッサ数、メモリなどの詳細情報が確認できます。

- バージョン (Version): SQL Serverの主要なバージョン番号が表示されます(例: 16.0.xはSQL Server 2022)。
製品 (Product): エディション名(例: Standard Edition, Enterprise Edition, Developer Edition)が表示されます。
バージョン (Version)行の括弧内の情報は、詳細なビルド番号やサービスパック/累積的な更新プログラム(CU)の情報を含みます。
1-3. クエリを実行する (SSMS または sqlcmd)
SSMSの新しいクエリエディタまたはsqlcmd
コマンドラインツールで、以下のT-SQLクエリを実行すると、最も正確な情報を取得できます。
SELECT @@VERSION;
GO
このクエリの出力例から、以下の情報を読み取ることができます。
- Microsoft SQL Server 2022: 製品バージョン
- (RTM): リリースバージョン(RTM: Release To Manufacturing)
- 16.0.1000.6: メジャーバージョン番号とビルド番号(16.0はSQL Server 2022を示します)
- Developer Edition (64-bit): エディション
- on Windows Server 2019 Standard 10.0: インストールされているオペレーティングシステム
主要なバージョン番号とSQL Serverの対応表:
バージョン番号 | SQL Server バージョン |
---|---|
8.x | SQL Server 2000 |
9.x | SQL Server 2005 |
10.0.x | SQL Server 2008 |
10.50.x | SQL Server 2008 R2 |
11.x | SQL Server 2012 |
12.x | SQL Server 2014 |
13.x | SQL Server 2016 |
14.x | SQL Server 2017 |
15.x | SQL Server 2019 |
16.x | SQL Server 2022 |
2. サーバーのプログラムと機能から確認する方法 (Windows の場合)
SQL ServerがWindowsにインストールされている場合、コントロールパネルからバージョン情報を確認できます。
- Windowsの[コントロールパネル]を開きます。
- [プログラム]カテゴリの[プログラムのアンインストール (Uninstall a program)]をクリックします。
- インストールされているプログラムのリストから、「Microsoft SQL Server 20xx」のようなエントリを探します。
- 該当エントリを選択すると、ウィンドウ下部に「バージョン」が表示されます。

3. SQL Server エラーログから確認する方法
SQL Serverが起動するたびに、そのバージョン情報がエラーログに記録されます。
- SQL Server 構成マネージャーを開きます。
- [SQL Server サービス]を選択し、対象のSQL Serverインスタンスを右クリックして[プロパティ (Properties)]を選択します。
- [起動時のパラメータ (Startup Parameters)]タブで、エラーログのパスを確認します。
- 通常、エラーログのパスは
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQLxx.InstanceName\MSSQL\Log\ERRORLOG
のようになります。 - 指定されたパスにある
ERRORLOG
ファイルをテキストエディタで開くと、ファイルの先頭付近にSQL Serverのバージョン情報が記録されています。
これらの方法を使いこなすことで、Microsoft SQL Serverの正確なバージョン情報を効率的に把握し、適切な管理を行うことができます。
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